杢蔵山は、神室連峰の南端に位置し、新庄市街地から望むと一見穏やかな顔を見せていますが、山頂の東側は切り立った断崖とやせ尾根からなり、神室連峰の一座としての険しい表情も持っています。旧山屋キャンプ場からさらに林道を数百メートル進むと、登山口。間伐が行き届き、林床に光の差し込む杉の植林地をしばらく進みます。一の滝分岐、三の滝分岐そして東北一綺麗な杢蔵山荘を経由して山頂を折り返すコースになります。また、距離は長くなりますがテレビ塔のある三角山、杢蔵山荘を経由して山頂を折り返すコースもあり、あるいは２つのコースを組み合わせ周回することもできます。
　頂上からの眺めは絶景で眼下に新庄盆地が広がり、その周辺に神室連峰、鳥海山、月山、葉山などの山々を配するパノラマ景観は、何度でも登ってみたいと思わせます。登山道の途中にある自然の景観を生かした一の滝渓谷遊歩道には高さ２０ｍの一の滝があり、流れ落ちる滝と不動明王が神秘的な雰囲気を醸し出します。また、上級者コースとなりますが、さらに渓谷遊歩道を進むと三の滝が現れます。杢蔵山は四季を通して多種多様な植物を見ることができますが、特にヤマルリトラノオの群落は山形県内最大で７月中旬から下旬が見ごろになります。